内科について

一般内科では、日常生活の中で比較的遭遇しやすい急性症状や慢性疾患の継続的な治療とコントロールを行っています。専門的な高度医療が必要な場合は、専門の医療機関へご紹介し適切な治療を受けていただけるようにする役割も担っていますし、逆に高度医療が終わって経過を見ながらの治療継続といった場合に高度医療機関から依頼を受けて継続治療することもあります。

また「何科を受診したらよいかわからない」といった場合などの相談や適切な診療科への紹介も行っております。どこに行けば良いか判らないとお悩みの際はお気軽にご相談ください。

内科の症状と疾患

このような症状と疾患の方はご相談ください。（あくまで例ですのでこれ以上の症状でも気軽に相談してください。）

• 発熱や咳、痰、鼻水、鼻づまり、のどの痛みなど
• 呼吸がゼーゼーする、息苦しい、咳が長く続く
• 頭痛やめまい、立ちくらみがする
• 胸や背中が痛い、動悸がする、息切れしやすい
• 腹痛、下痢、便秘、お腹の調子が悪い
• 吐き気、嘔吐、胃のムカムカ、お腹の張り
• 食欲がない、最近疲れやすい、体重が減ってきた
• 花粉症、蕁麻疹、喘息などのアレルギー
• トイレが近い、排尿時の痛み、血が混ざる
• 夜眠れない
• 足がむくむ
• 健康診断などで異常といわれた
• 何科に受診すればよいかわからない症状

内科の主な病気

かぜ

かぜは正式には「かぜ症候群」といって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などを主症状とする上気道（鼻やのど）の急性炎症の総称です。原因微生物の80～90％はウィルスが占めており、粘膜から感染して炎症を起こします。ウィルスに抗生剤はまったく効果がありませんし、ウィルスを殺す薬があるウィルスは少なく、多くの風邪は最終的に自分の免疫がウィルスを排除して治りますが、ウィルス排除後も咳などの症状が残ることがあります。
また、荒れた粘膜は防御が弱くなり肺炎、気管支炎、副鼻腔炎、中耳炎などを起こしてくることもあり、抗生剤が必要となる場合もあります。すっきり治らない、ぶり返してきたなどあればもう一度受診してください。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスによる急性熱性感染症で、A、B、Cの3型がありますが、人への感染で問題になるのはA、B型です。通常、寒い季節に流行しますが夏などに散発する年もあります。
感染を受けてから1～3日間ほどの潜伏期間の後に、38℃以上の突然の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、咳、鼻汁、咽頭痛などの症状がこれらに続き、およそ1週間で軽快します。主な合併症としては肺炎、脳症が挙げられます。通常のかぜ症候群とは異なり急激に発症し、全身症状が強いことが特徴です。一般の風邪とことなり、ウィルスの増殖を抑える薬が開発されています。
迅速検査が開発されており数分で診断が出来ますが、発症初期はウィルス量が少なく偽陰性（本当はインフルエンザなのに結果は陰性となること）となることがありますので、結果が陰性でも注意が必要です。

新型コロナウィルス（COVID19）

皆様もご存知のように2019年から始まった新しいコロナウィルス（SARS-CoV-2）による感染症です。潜伏期間はオミクロン株では2～4日と推定されています。当初はウィルスが肺の粘膜の奥に移行しやすく若年者にも急激で重篤な肺炎を起こし致死的になることから非常に恐ろしい疾患でしたが、現在はコロナウィルス自体による肺炎は減っています。その代わり、強い粘膜傷害で防御が弱まることで併発する肺炎が問題になっています

急性胃腸炎・感染胃腸炎

胃腸炎のほとんどはウィルス感染（ノロウィルス、ロタウィルス、アデノウィルスなど）で、一部に細菌性（カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など）や毒素性（黄色ブドウ球菌など）が見られます。ウィルス、細菌、毒素などが付着した料理を食べたり、手指についたウィルス、細菌、毒素などを口にしたりすることで感染します。ウィルス、細菌の場合は嘔吐したものや排泄物にも感染性があり、冬場、幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、治療は脱水を予防し、症状に合わせた内服薬を服用します。細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。

ただ、当院と同じフロアに消化器内科クリニックがありますので、症状の重い方はそちらに受診していただく方が安全かと思います。

蕁麻疹(じんましん)

じんましんは皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり（膨疹）、しばらくすると跡形もなくかゆみと皮疹が消えるという特徴があります。たいていかゆみを伴いますが、チクチクとした感じや焼けるような感じになることもあります。発症して6週間以内を「急性じんましん」、それ以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼びます。じんましんの治療は、まず原因や悪化因子を探して、それらを取り除く、または避けるようにすることです。アレルギーが原因であれば、原因アレルゲンや刺激を回避します。仕事や勉強などのストレスや不規則な生活を避けることも重要です。薬物治療は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬や塗り薬が中心となります。

こちらも同じフロアに皮膚科クリニックがありますので、症状が重かったり治りにくかったりした場合は皮膚科クリニックへ紹介させていただきます。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎には、スギ花粉やヒノキ花粉などが原因で起こる「季節性アレルギー性鼻炎（花粉、ハウスダストなど）」と、ハウスダストなどが原因で季節に関係なく起こる「通年性アレルギー性鼻炎」があります。さらっとした透明の鼻水、鼻づまり、発作的に起こる連発するくしゃみが主な症状で、空気中に浮遊する原因物質（アレルゲン）が鼻の粘膜から体内に入ることによって起こります。アレルギー性鼻炎の治療は薬物療法が中心となります。症状の原因となるダニやスギ花粉などのアレルゲンを回避する環境を整えることも重要です。
難治例には「減感作療法」、「手術療法」という選択肢もありますので、それに対応できる病院へ紹介いたします。

扁桃炎（扁桃腺炎）

扁桃炎は、のどの奥の左右両側にある扁桃が、細菌などの感染により炎症を起こす病気です。扁桃が赤く腫れ、白い膿を持つこともあります。扁桃炎の症状は、のどの痛み（とくにつばを飲み込むときの強い痛み）、発熱、あごの下や頚部のリンパ節の腫れなどですが、耳や側頭部に痛みが放散することもあります。ウィルス性で症状が軽い場合はうがい薬、トローチの使用などで対処しますが、症状が強い場合は消炎鎮痛剤、解熱剤なども使用します。細菌感染による場合は抗生物質が必要となります。特に溶連菌感染の場合は抗生剤による適切な治療が重要です。

高血圧

日本高血圧学会では上の血圧である収縮期血圧（心臓が収縮したときの血圧）が140mmHg以上、または下の血圧である拡張期血圧（拡張したときの血圧）が90mmHg以上を高血圧としています。そのまま高血圧の状態にしておくと脳や心臓の血管が動脈硬化を起こし、脳卒中や心臓病、腎臓病などの重大な病気を発症する危険性が高まります。日本人の高血圧の約8～9割が本態性高血圧（原因をひとつに定めることのできない高血圧）で、遺伝的素因（体質）や食塩の過剰摂取、肥満など様々な要因が組み合わさって発症します。中年以降にみられ、食生活を中心とした生活習慣の改善が予防・治療に非常に大切です。
健診や病院に受診したときだけ血圧が高いが普段は低いという方（白衣高血圧という表現をしたりします）はすぐに薬が必要という方は少ないですが、将来的にはずっと血圧が高い状態（いわゆる高血圧）になりやすいと言われていますし、生活習慣を改善し始める良い機会だと思います。

脂質異常症

脂質異常症とは血液中の「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールや中性脂肪（トリグリセライド）が増えたり、「善玉」のHDLコレステロールが減ったりした状態のことをいいます。この状態を放置していると動脈硬化が起こり、ゆっくり進行し、脳梗塞や心筋梗塞といった動脈硬化性疾患をまねくリスクが高まります。
脂質異常症の発症には、過食、運動不足、肥満、喫煙、過度な飲酒、ストレスなどが関係しているといわれています。「内臓脂肪型肥満」ではLDLコレステロールや中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなりやすい傾向があります。また、遺伝性の「家族性高コレステロール血症」と呼ばれているものもあります。

糖尿病

糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、十分に働かないために血液中のブドウ糖の濃度（血糖値）が高くなる病気です。1型糖尿病、2型糖尿病、　妊娠糖尿病、その他特定の機序・疾患によるものの4つのタイプに分類されていますが、日本人で圧倒的に多く、生活習慣病の一つとされているのが2型糖尿病です。その発症には、インスリンの分泌不足といった要因に加え、過食、運動不足、肥満、ストレスといった生活習慣が関係しているといわれています。
糖尿病を発症し進行すると、神経障害、網膜症、腎症など様々な合併症を引き起こすことがあります。糖尿病を予防するため、あるいは進行を遅らせるために生活習慣を見直すことが大切です。

高尿酸血症・痛風

尿酸が高い状態が続いたり、暴飲暴食で急に尿酸が上昇したりすると痛風発作の危険が高まります。痛風発作は足の親指の付け根が好発部位ですが、他の部分に起こることもあります。痛風だけではなく高尿酸血症は臓器障害や動脈硬化の原因になると言われています。治療には生活習慣の改善のほか、尿酸の排泄を増やす薬や生成を抑える薬があります。

生活習慣病

生活習慣病とは、その名の通り生活習慣が原因で発症する疾患の総称です。不適切な食生活、運動不足、喫煙、過度の飲酒、過剰なストレスなど、好ましくない習慣や環境が積み重なると発症リスクが高まります。がんや脳血管疾患及び心疾患の危険因子となる肥満症、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、動脈硬化症などはいずれも生活習慣病とされています。これらは自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行し、脳や心臓、血管などにダメージを与えていきます。その結果、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる重篤な疾患を引き起こすことがあります。